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【DWWA 2026】受賞ロゼ5本を解説|日本で買える代替も

ベスト・イン・ショー プラチナから選抜 50本のみ。出品全体の0.3% プラチナ 97〜100点 出品全体の1.18% ゴールド 95〜96点 出品全体の5.56% シルバー 90〜94点 個性と品質を備えたワイン ブロンズ 86〜89点 よく造られた健全なワイン

85点以下にはメダルが与えられません。またゴールド以上は一度の試飲では決まらず、地域責任者と共同委員長による再テイスティングを経ます。ゴールド受賞ワインは合計3回テイスティングされる計算です。プラチナとゴールドの間には、点数差以上に「再検証を何度くぐったか」という差があると考えてよいでしょう。

なお、こうした評価がどんな手順で行われるかを知っておくと、自宅で飲むときの解像度も変わります。基本の流れはワインテイスティングの基本手順と極意で解説していますので、あわせてご覧ください。

目次

「プロヴァンス以外」に注目が集まった理由

今回デキャンタが打ち出したテーマは「プロヴァンスの外側」でした。ロゼといえば淡いピンクの辛口、というイメージが世界標準になっていますが、それはあくまで一つの型にすぎない、という提示です。

実際、DWWA 2026ではフランスだけで8つの地域から359点のロゼがメダルを獲得しています。ボルドー、ロワール、コルシカ、ボジョレー、南西地方まで含まれており、フランス国内ですら産地の広がりがあることが分かります。

そもそもロゼの色は、赤ワインと白ワインを混ぜて作られているわけではありません。EUでは静止ワイン(発泡していないワイン)における赤白の混和は原則として認められておらず、ロゼ・シャンパーニュなど一部のスパークリングが例外とされています。多くのロゼは、黒ブドウの果皮と果汁が触れる時間の長さで色と味わいが決まります。

  • 数時間で果汁を抜く…淡く繊細。プロヴァンスが世界に広めた型
  • 丸一日以上マセレーション(果皮浸漬)する…色が濃く、果実味が厚い
  • セニエ(血抜き)…発酵中の赤ワインから果汁の一部を抜き、それを独立したロゼに仕立てる

つまりロゼは産地の名前ではなく技術の名前だ、というのがデキャンタの主張です。ロゼが世界的に支持されている背景についてはロゼワインが世界中で愛される理由で、基準となるプロヴァンス型そのものについてはプロヴァンスロゼとは?淡いピンクの辛口ロゼワイン徹底解説で詳しく扱っています。

デキャンタが選んだロゼ5本

選ばれた5本は、産地も製法もばらばらです。共通しているのは「ロゼに対する先入観を外してくる」という一点だけと言ってよいでしょう。

銘柄産地メダル主な品種アルコール
ルナエ/メア・ロサ 2025リグーリア(イタリア)プラチナ 97点ヴェルメンティーノ・ネーロ12.5%
ワインディング・ウッド/ロゼ・ブリュット 2022バークシャー(イングランド)プラチナ 97点ピノ・ノワール主体12%
アンテ・スラディッチ/オポル・ラシナ 2025ダルマチア(クロアチア)ゴールド 96点ラシナ12.5%
ドメーヌ・ラ・サンドリヨン/ミニュイ 2025コルビエール(フランス)ゴールド 96点グルナッシュ、サンソーほか13.5%
アシエンダ・ロペス・デ・アロ/クラシカ グラン・レセルバ 2016リオハ(スペイン)ゴールド 96点ガルナッチャ、ビウラ12.3%

ルナエ/メア・ロサ(イタリア・リグーリア)

リグーリア州ラ・スペツィア近郊のワイナリー、ルナエが手掛ける唯一のロゼです。白ブドウのヴェルメンティーノで名を上げた造り手ですが、このロゼに使われるのはヴェルメンティーノ・ネーロという黒ブドウ。名前は似ていますが別品種で、1980年代から90年代にかけて数軒の生産者によって絶滅寸前から救われた希少品種とされます。

ワインディング・ウッド/ロゼ・ブリュット(イングランド・バークシャー)

5本のなかで最も小規模な造り手です。ニューベリーとハンガーフォードの間にある約1.5エーカー、樹数にして2,500本ほどのブティックヴィンヤードで、2024年末にオーガニックとデメター(ビオディナミ)の両認証を取得しています。このロゼはピノ・ノワールを主体に少量のシャルドネを合わせ、アッサンブラージュ(調合)方式で赤ワインを少量ブレンドする造り。瓶内二次発酵後、澱(おり)とともに約18か月、デゴルジュマン(澱抜き)後にさらに6か月休ませています。受賞後は生産者の直販サイトで購入本数に制限がかかるほどの反応が出ています。

アンテ・スラディッチ/オポル・ラシナ(クロアチア・ダルマチア)

今回の5本で最も入手が難しいのがこれでしょう。クルカ国立公園にほど近いプラストヴォ村の家族経営ワイナリーで、使われるラシナは、スクラディン周辺のごく限られた範囲でしか栽培されていない土着の黒ブドウです。果皮が薄く栽培が難しい品種で、「黒いバラ」という別名を持ちます。ラシナ単一のロゼを造る生産者はごくわずかとされます。なお「オポル」はダルマチア地方で伝統的にピンク色のワインを指す呼び名です。

ドメーヌ・ラ・サンドリヨン/ミニュイ(フランス・コルビエール)

ナルボンヌに近いオルネゾンの生産者で、畑の歴史は1750年まで遡ります。2005年に現オーナー夫妻が引き継ぎ、2013年にエコセール(フランスのオーガニック認証機関)の有機認証を取得しました。「ミニュイ=真夜中」という名前のとおり、酸と香りを守るために早い時期の夜間収穫を行うのが特徴です。プロヴァンスの隣にありながら、より南仏らしい厚みを持つロゼと位置づけられます。

アシエンダ・ロペス・デ・アロ/クラシカ グラン・レセルバ(スペイン・リオハ)

5本のなかで最も異色の存在です。2016年ヴィンテージという時点で驚きですが、これはロゼでありながら樽で長期熟成されたグラン・レセルバ。生産者の資料によれば、低温で果皮浸漬したのちタンクから淡いピンクの果汁を抜き取り、ボルドー型の樽で4年間熟成させています。「ロゼは若いうちに飲むもの」という常識が、必ずしも普遍ではないことを示す1本と言えます。

日本で買えるのか?現実と代替の探し方

結論から書きます。2026年7月時点で、この5本そのものを日本の一般流通で見つけるのは困難です。 ただし、諦める必要はありません。生産者単位で見ると、日本に入っている造り手が含まれているからです。

ルナエはモンテ物産が輸入元となっており、エノテカやイタリアワイン専門店などでヴェルメンティーノ系の白を中心に流通しています。アシエンダ・ロペス・デ・アロもアレグレット社が輸入しており、通常キュヴェのロサード(ロゼ)がラインナップに存在します。受賞したそのものではありませんが、造り手の輪郭をつかむ入口にはなります。

年間50店舗以上のワイン売り場を見て回っている経験から言うと、探すべきは銘柄名ではなく「軸」です。以下の考え方で置き換えると、国内の棚でも現実的に手が届きます。

受賞ワイン置き換える軸日本での探しやすさ
ルナエ/メア・ロサイタリア土着品種のロザートイタリアワイン専門店で比較的容易
ワインディング・ウッドイングリッシュ・スパークリングのロゼナイティンバーなどが正規輸入されている
アンテ・スラディッチクロアチア土着品種赤と白が中心。ロゼは難易度が高い
ラ・サンドリヨン/ミニュイコルビエールのオーガニックロゼ量販店でも入手可能
ロペス・デ・アロ/クラシカリオハのロサード輸入元経由で入手可能

とくに現実的なのがコルビエールです。たとえばやまやでは、AOPコルビエールのオーガニックロゼが1,400円前後(税込参考価格)で並んでいます。シラー、グルナッシュ、サンソーという構成は、ミニュイと発想が近いものです。「受賞ワインと同じ産地・同じ品種構成・同じ価格思想」で選べば、コンクールの結果を自分の棚に翻訳できます。

なお、イングリッシュ・スパークリングのロゼはナイティンバーのロゼ・マルチヴィンテージが参考上代11,000円程度と、価格帯が一段上がります。価格・在庫は時期や店舗によって変わりますので、購入前に必ずご確認ください。

コンクール受賞ワインの賢い使い方と、鵜呑みにしない読み方

メダルは便利な道具ですが、万能ではありません。使いどころを分けて考えるのが実用的です。

受賞歴が役に立つ場面

  • 知らない産地に踏み込むとき…情報が少ない産地ほど、第三者の評価は判断材料になります
  • 大きな外れを避けたいとき…ブロンズ以上は健全に造られていることの目安になります
  • 贈り物を選ぶとき…受賞という事実は、相手に説明しやすい裏付けになります

気をつけたい4つのポイント

  1. 受賞ヴィンテージと店頭のヴィンテージは違うことが多い…受賞した年号と販売中の年号が異なる旨を、生産者自身が注記しているケースもあります
  2. 出品していないワインは評価されようがない…コンクールは応募制です。無冠であることは品質の低さを意味しません
  3. 評価はカテゴリー内の相対評価という側面がある…同じ96点でも、比較された相手が違えば意味は変わってきます
  4. 点数は自分の好みを保証しない…高評価でも、樽の効いたロゼが苦手な方には合わない可能性があります

コンクールの結果は「正解表」ではなく「地図」です。行き先を決めるのは、あくまで自分の舌であるという前提を持っておくと、メダルとの付き合い方がずっと楽になります。

よくある質問

プラチナとゴールドはどのくらい違いますか

点数ではプラチナが97点以上、ゴールドが95〜96点で、差は1〜2点です。ただし出品全体に占める割合はプラチナが1.18%、ゴールドが5.56%と、希少性には差があります。またプラチナは再テイスティングの段階を追加で通過しているため、審査員の合意の厚みという点でも違いがあると考えられます。

ロゼは熟成させても大丈夫なのでしょうか

多くのロゼは若いうちのフレッシュさを楽しむ設計になっており、早めに飲むのが基本です。一方で、今回受賞したリオハのように、樽で長期熟成させることを前提に造られたロゼも存在します。熟成できるかどうかは色ではなく、その造り手が何を意図したかで決まります。ラベルに「グラン・レセルバ」などの熟成表記があるかどうかが、ひとつの手がかりです。

受賞していないロゼは品質が劣るということですか

そうとは限りません。コンクールは生産者が自ら出品して初めて審査対象になる仕組みです。出品にはコストも手間もかかるため、小規模生産者や、国内で完売してしまう造り手はそもそも応募しないことがあります。無冠であることは、評価されなかったことと同義ではありません。

まとめ

  • DWWA 2026は約17,000点が審査され、プラチナは全体の1.18%、ゴールドは5.56%という狭き門でした
  • デキャンタが選んだロゼ5本は、イタリア、イングランド、クロアチア、フランス、スペインと産地も製法もばらばらで、「ロゼ=淡いプロヴァンス型」という前提を崩す構成になっています
  • 5本そのものの日本流通は確認できませんが、ルナエとロペス・デ・アロは生産者ごと日本に入っており、コルビエールのオーガニックロゼなら量販店でも入手できます
  • メダルは外れを避ける道具として有効ですが、ヴィンテージ違いと未出品の存在という2つの限界は押さえておきたいところです

まずは手の届くところから試すのが近道です。次にロゼを買うときは、いつもの淡いピンクの隣にある「濃い色のロゼ」を1本だけ選んでみてください。ロゼという言葉が指す範囲の広さを、その1本が教えてくれるはずです。

※お酒は20歳になってから。飲酒運転は法律で禁止されています。妊娠中や授乳期の飲酒は避けてください。

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